【効果】デトックス

デトックスとは、身体に悪影響を及ぼす、体内でつくられた老廃物や体外から入ってきた有害物質を排出すること。

そして、肝臓や腎臓がその役割を担って活躍していることを前回お話ししました。

今回はデトックスを促す生活習慣についてです。

 

《解毒サポートでクリーンな身体に！！》

デトックスに欠かせない肝臓の解毒を助ける物質について見ていきます。

 

●スルフォラファン

スルフォラファンは、ブロッコリーや大根、キャベツなどアブラナ科に含まれる辛味成分物質です。

特にブロッコリースプラウトに多く含まれている事が分かっています。

高い抗酸化作用を持ち、美肌や老化予防に役立つだけでなく、肝臓でつくられる酵素を活性化させる作用があります。

スルフォラファンは熱に強いので加熱は大丈夫ですが、水溶性のため電子レンジでの加熱や、ゆで汁と共にとれるスープなどがオススメです。

 

●グルタチオン

グルタチオンは、アミノ酸が連なったペプチドであり動物や植物などの細胞内に存在し、生命を維持する上で欠かせない成分です。人の場合は特に皮膚や肝臓に多く含まれる事が分かっています。

こちらも高い抗酸化作用がある他、肝臓での解毒作用に必要な物質であるため肝機能を高める効果があります。

しかし、加齢や紫外線の影響などで減少しやすいので、日頃から意識して摂取することが大切です。

ホウレン草、キャベツ、カボチャ、ブロッコリーなどに含まれています。

 

●オルニチン

オルニチンは体内に存在するアミノ酸であり、アンモニアの肝臓での解毒を行う尿素回路(オルニチンサイクル)に働きかけ、有害なアンモニアをむがいな酢酸へと変換するサポートをします。

アンモニアが過剰に発生すると全身の疲労にも繋がるので、オルニチン摂取は疲労回復効果を得ることが出来ると言われています。

シジミに多く含まれている成分として有名ですが、実は生のシジミよりも、一度冷凍してから調理した方がオルニチン量が7～8倍増加することが分かっています。

 

以上が肝臓の働きをサポートする物質です。

日頃から気をつけてとってあげる事で、アルコールの分解だけでなく、その他の解毒を助けてくれます。

 

《腸活で腸から美しく！！》

大腸の役割は便をつくり排出することです。

この便をつくる過程で腸内細菌が毒素を発生させ、その毒素が体内に吸収されてしまいます。

そこで、便が大腸に留まる時間を減らし、体内に吸収されるどくそのりょうを減らすことが重要となります。

 

大腸には小腸で栄養素が吸収されなかった食べ物のカスや消化できない食物繊維などが入ってきます。

便秘などにより腸内で悪玉菌が増えるとアンモニアなどの有害物質がつくられます。

便秘の原因の１つは悪玉菌の増加です。

悪玉菌は蠕動運動を低下させるため大腸の中の便の停滞時間が長くなり、便の水分の吸収量が増え、便が固くなり便秘を引き起こします。

腸内環境を整えるためには悪玉菌のエサとなる動物性タンパクや脂質か多い食品のとりすぎを控えて、善玉菌のエサである食物繊維やオリゴ糖などの摂取を心がける事が大切です。

腸内環境を整え、デトックスを促して美しさを維持していきましょう。

 

《リンパの流れを良くする！！》

リンパ液もデトックスにおいて欠かす事のできない存在です。

リンパ液とは…血管から漏れだした血漿成分です。その血漿成分は細胞間液とよばれ、細胞が代謝によって作り出した二酸化炭素や老廃物などを受け取る働きをしています。

その細胞間液の10％がリンパ管へ入り、リンパ液と呼ばれるのです。

残りの90％は毛細血管へ入ります。

リンパ管は毛細血管より大きい物質を通過させることが出来るため、細菌やウイルス、毛細血管に入ることができなかった老廃物がリンパ管に流れ込んでいます。

リンパ液は体中を巡りながら、老廃物を回収していき、巡り終えると鎖骨下静脈で血液と合流します。

リンパの流れを良くすることで老廃物の排出がスムーズに行われるようになるのです。

また、リンパ管の途中にあるリンパ節では、ろ過が行われており、細菌やウイルスなどの異物が含まれていないか、せき止めて確認する関所の役割をしています。

リンパ節には免疫細胞も存在しているので、全身に病原菌などが広がらないように免疫細胞が攻撃をします。

 

リンパといえば、むくみを連想される方も多いと思います。むくんでいる状態とは細胞間液が毛細血管やリンパ管に吸収されず留まっている状態です。

リンパ管には血管でいう心臓のようなポンプがありません。

ですから、筋肉の動きを頼りに送り出しています。そのため、長時間座っているなど筋肉の収縮が行われない時間が長いとリンパ液の流れが悪くなり、細胞間液が溜まっていってしまうのです。

筋肉のコリなども、筋肉が収縮しにくくなっている状態ですので、リンパの流れが悪くなる原因となります。

 

筋肉を柔らかく保ち、筋肉を刺激してリンパの流れを良くすることでデトックスが促されます。

 

《おまけ・脳のデトックス》

脳は糖質などからエネルギーを生み出しており、その過程で他の組織と同様に老廃物ができます。

その老廃物の１つに“アミロイドβ”があります。

本来は体外へ排出されますが、何らかの理由で排出されず蓄積していくとアルツハイマー型認知症を発症すると言われています。

近年、脳を守るクッションのような役割をしている脳脊髄液が認知症の予防に役立っているのではないかと注目されています。

脳脊髄液は深い眠りであるノンレム睡眠に流れが活発になり脳内に染みだして、有害なアミロイドβなどの老廃物を押し流していると考えられています。

つまり、認知症予防のためには、質の良い睡眠が重要なのです。

夜に分泌され睡眠を促すメラトニンは、朝日を浴びることで分泌が高まるセロトニンをもとにして作られます。

また、深部体温が下がるときに眠くなるため、日中に活動をすることや、就寝の1～2時間前までに入浴することなども大切です。

規則正しい生活をして夜ぐっすり眠ることが脳のデトックスの促進になります。